
生み出す絵本が次から次へとヒットする、ヨシタケシンスケさん。クスッと笑えて、子に寄り添い、オトナも納得な“ヨシタケワールド”に親子でファンという方も多いはず。この『おしっこちょっぴりもれたろう』も、そのタイトルからして、子どもは「おしっこの話!?」と興味津々に。となると……いわゆる幼児向け? 下ネタ? といぶかるかもしれないけれど、いえいえとんでもない! たしかに“おしっこ”がキーワードなのだけれど、それは物語のきっかけにすぎなくて。世の中にはいろいろな悩みがあって、密かにみなそれを悩んでいるということに気づかせてくれる1冊なのだ。

おしっこをちょっぴりもらしてしまうものの、「ちょっとなんだからいいじゃないか!」と胸を張り、もれたろうは、お母さんに見つかる前に外へと出かける。「洋服を着ちゃえば、傍目には“もれ”ていることなんか分からない」と悟ったもれたろう。さらには「自分以外の人も“もれ”ているのではないか?」と、ハッと思い付き、町を尋ね歩く。