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身近な文房具から未来の駅まで。スタートアップ「エイス」が提供するアイデアのプラットフォームが世の中をわくわくさせる

最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できる者だ――そんな言葉を、イギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンは残した。

インターネットが当たり前の存在となり、ひと昔前には想像すらできなかった仕事が誕生し、業務内容や働き方も大きく変わっている現代こそ、ダーウィンの言葉の説得力が増しているような気がする。

「オープンイノベーション」の考え方が徐々に広がりを見せているのも、急速に変わりゆく時代の変化に対応すべく、違った強みを持った企業同士が助け合わなければならないと今の時代の人々が感じているからだろう。

「エイス」が推し進めるオープンイノベーションの場作り


エイス代表取締役・大川浩基氏

オープンイノベーションプラットフォーム「Wemake」を運営する「A(エイス)」は、2012年に設立されたスタートアップ企業。世の中には素晴らしいモノ作りの技術や知識があるのに、十分に活用されていないという現状を変えるべく、中学、高校の同級生だった大川浩基氏、山田歩氏が共同創業者となり立ち上げた。

大手企業の新商品や事業の開発支援を行うオープンイノベーションプラットフォーム「Wemake」では、さまざまな業界の会社員、フリーランスのデザイナー、学生や主婦など、約1万人ものユーザーが企業の抱える課題に対してアイデアを持ち寄り、プロジェクトと真摯に向き合っている。

これまでいくつものプロジェクトが成功を収めており、例えば文房具メーカー「コクヨ」との新商品開発プロジェクトで生まれた『チョイタス』は、全国の女子中高生の間で話題となる人気商品へと成長した。

新たなサービスの提供に向けて挑戦していく「JR西日本」




そして鉄道事業を基盤に多角的な事業展開を行う「西日本旅客鉄道株式会社」(以下、JR西日本)も、現在「エイス」とプロジェクトに取り組んでいる企業のひとつ。2023年春に開業予定の「(仮称)うめきた(大阪)地下駅」(以下、うめきた地下駅)で提供したいと考えている“居心地がよく、わくわく”するサービスのアイデアを、エイスのオープンイノベーションプラットフォームを通して募集した。



今回はJR西日本・鉄道本部技術企画部うめきたPTの安井貴大氏に、今回のプロジェクトについて、そして実際にエイスのサービスを利用した理由や感想など、お話しを伺ってきた。



-うめきた地下駅とはどのような駅なのでしょうか?

「現在の大阪駅近くに開発が予定されている『うめきた2期開発エリア』のまちづくりと合わせ、2023年春の開業を予定している新しい駅です。さらに2019年3月16日に開業予定の『おおさか東線北区間』との接続も計画しており、新幹線とのアクセスが向上する事で、大阪の中心地である梅田エリアがより活性化するのではないかと考えております。(安井氏、以下同)

最近では海外からのお客様も数多く関西にお越しいただいており、2025年には大阪万博が決定、2031年には『なにわ筋線』の開通による関西国際空港とのアクセス性の向上が予想されます。そういった意味で、日本第二の都市圏であり、先進性を備えた関西都市圏ブランドの確立に貢献する『日本の玄関口(ニッポンのゲートウェイ)』のような駅になればと思います。

また、我々が目指す約20年後の鉄道の姿を描いた『技術ビジョン』を2018年3月に公表しました。ただビジョンを掲げるだけでなく、実際にお客様に見て、体感していただける場所として、うめきた地下駅が『技術ビジョン』のショーケースとなれば幸いです」



―今回のプロジェクトにおいて、エイスと一緒に仕事をしようと思ったきっかけは?

「これはどこの会社にも言えることかも知れないのですが、何かアイデアを出すときに社内だけではどうしても限界を感じるときがあります。特に今回のうめきた地下駅については、『未来の駅にするんだ!』と言っている以上、革新的なアイデアが欲しいというニーズがあり、実際のお客様がどのような要望を持っているのかきちんと知った上で、アイデアを形にすることが重要だと考えておりました。

そうした中で、オープンイノベーションプラットフォームを通して、外部・社外の方々からお客様の目線でのアイデアを広く募集したいと思い、エイスさんと一緒にお仕事をさせていただくことになりました」



―実際に一緒に仕事をしてみて、いかがでしたか?

「初めての取り組みだったこともあり、本当に新しいアイデアが出てくるのか不安だったのも事実です。しかし結果的には、236案という非常に多くのご提案をいただきました。お客様目線のアイデアや、我々だけでは時間をかけても絶対に出てこなかったであろう斬新なアイデアなどもありました。現在は最終審査中の期間(取材時・2019年2月)ですが、エイスさんとも一丸となってチームとしてブラッシュアップに取り組んでいます。今では頼りっぱなしの存在です(笑)

またアイデアを提案してくださる方が、さまざまな業界から集まっているのも面白い点でした。今回のうめきた地下駅のような鉄道に関する募集だからと言って技術系の人が多く集まるわけではなく、建築系から自動車、スポーツ、金融の企業から、学生、主婦の方までバラバラ。今回の募集で言うと、駅という毎日使うものだからこそ、さまざまな要望や不満をアイデアで解決したいという想いを頂戴できたと感じています」



―最後に、今回のプロジェクトに対する読者へのメッセージをお願いします。

「うめきた地下駅は、従来の駅を超える、今までにない駅を作り上げることを目標としています。キラキラしていたり、SFの世界のようなものだったり、そういったモノを目指しているのではありません。お客様の目線に立って、居心地の良さとわくわくをお届けする存在を目指しています。梅田エリアなどのまちづくりと連携したシームレスな移動を実現し、ワントゥワン、お客様ひとりひとりに合ったサービスを提供していきます」

オープンイノベーションだからこそ生まれたアイデア




2019年3月9日に、コンペティションの結果が発表された。見事、最優秀賞を手にしたのは、投影した映像をタッチ操作できるインタラクティブプロジェクター「アイランド型券売機」のアイデア。まだ詳細について決定していない部分もあるが、2023年の実現に向けて本格的に実現可能性の検証を進めていくという。

今回のプロジェクトが成功したのも、オープンイノベーションのプラットフォームという現代らしいサービスが存在したからこそ。これから先「エイス」が関わるプロジェクトは、世の中をもっとわくわくさせてくれるに違いない。

関連サイト


エイス
JR西日本
UMEKITA INNOVATION CHALLENGE

textコバヤシユウタ(編集部)

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