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Analogfish - Analogfishのニュー・アルバム『最近のぼくら』に描かれているのは、もしかすると、あなたの日常なのかもしれない。

日常の全体を、パッケージして歌詞を書きたいなと思った

──その一方で歌詞なんですが、今回はどんなことを考えながら書きましたか。
ほんとに “最近のぼくら”みたいな感じの……今あることをなるべくそのまま歌おうと。メッセージとかじゃなくて、目の前にあることからこぼれてくるものがあればいいなと。

──資料には、『荒野』『NEWCLEAR』と本作で “社会派3部作”とあります。これはいつごろから意識してたんですか?
『NEWCLEAR』を作ったあとに、これは3部作になるかもなあって思ったんですよ。だからなんとなく意識はしていましたけど、3部作のトリを飾らねば、という感じで作ったわけではないです。

──どういう意味で3部作になると思ったんですか?
なんでしょうね……『荒野』と『NEWCLEAR』はわりとメッセージの繋がりがあって。

──ええ。
その時のフィーリングでは、この流れで次も行けるなと思ったんですよね。

──今回 “社会派”というわりには、そんなに直接的に社会的なことを歌っているわけじゃないですよね。
そうですね。そういう意味ではあまり関係ないといえば関係ないですね。

──ただどこかで繋がっている気分がある。
ただ、そこを聞く人に探してほしいとも、今回は思ってなくて。

──ふむ。今回は歌詞にすごく含みが多い気がします。下岡さんの書く歌詞はもってまわったような言い方とか難解な比喩がなくて、ある意味ですごくストレートなんですよね。今回はわりと淡々とした日常の描写とか細かい感情の描写が多いんですが、そこから読み取れるものがいっぱいある気がします。
はい。まさにそれが今回やりたかったことでした。

──すごく突飛なたとえかもしれませんが、天気のいい昼下がりに近所の河原で昼寝をしていると、近くの米軍基地から飛び立つ戦闘機の爆音とか、どこかの街頭でのヘイトデモの怒号が彼方から聞こえてくる、というイメージ。
「最近のぼくら」とか「はなさない」はそういうフィーリングは確実にありますね。

──あからさまに正面から歌うのではなく、背景として、通奏低音としてにおわせるというか。
そうですね。すごくにおわせたい、というのではないですけど、そういうことがあることも含めた日常の全体を、パッケージして歌詞を書きたいなと思ったんです。特にメッセージにもせずに。

──今の世の中って誰でも少しづつ不安を抱えてると思うんです。とりわけ意識しないでも。今回のように淡々とした平穏な日常に潜む不安感みたいなものをちゃんと描けている歌詞は、なかなかないですよね。
ほんとですか。やったあ(笑)。そこはほんと、メッセージを直接言わないほうがいいって気分はあったんです。でも最終的にはそういうふうに聞こえるものを作りたいなと思って。ある程度できたと思います。

──あまり直接的なメッセージにしない方がいいと思った理由は?
例えば……今世の中が右傾化していることとかレイシズムのこととかガザのこととか、すごくいろんなことが起きていてすごく大変なんだけど、目の前の生活に追われて忘れがちになってしまう。ずっと気にしてられないし。でもそれが僕たちの日常なんですよ。そういうことも含めた日常の風景を歌いたかったんです。それをメッセージとして歌うと、正しい人と正しくない人というか、メッセージを歌うと、自分はわかってる人、という立場からしか歌えなくなってしまうと思うんですよ。

──正義は我にあり、みたいな。
そう、僕ね、ロックのそこは信用してるから、そういう表現は絶対あっていいと思っているし、僕もこれからそういうこともやると思うけど、今回はなんかそういう気分じゃなかった。それよりも、忘れてしまうこととかも含めた日常の景色を歌ったほうが、単純に自分の気分にぴったりきました。

……武器は自分しかないんですよ

──今回は時代とか社会性みたいなものに密着しすぎないんだけど、でも自分たちが生きてる今の空気感とか気分を、生活者の視点からさりげなく見てる感じがある。
はい、そうですね。

──原発事故も遠くなって……ほんとは遠くなってないんだけど、遠くなったような気になっちゃってる。そういう心理的な距離感みたいなものがすごくよく表されている。
うん。それはありますね。僕はそこを忘れる気はないし、なるべく忘れないように努力してます。僕は決して忘れないって言いたいけど、でもどうしようもなく遠くなっていく感じ。その遠くなっていく感じを歌うほうが、ガツンとメッセージを歌うよりも、自分にとって大事だなと思って。

──あまり直接的に言うと野暮ったくなりがちというのもありますよね。
ありますね。ただ、そこはすごい悩んでるところで。ヘタこいてもいいから、そこは野暮ったくてもやろうぜって気分も僕の中にあって。野暮うんぬんを気にするよりそのほうが大事じゃん、という。その “メッセージを言うと野暮ったくなる”っていうのは、ほんといろんな人たちが戦ってきたところだと思うんですよ。ほんとに大変だなと思うけど、でもなんとかそこをジャンプできないかなって思いながら、いつもやってるんですよ。

──わかります。
ミュージシャンやってる人って、言いたいこともあるけど、やりたい音楽もあると思うんですよ。言いたいことを言うと、やりたい音楽ができなくなる。音楽って言葉に限定されるから。そういうことを言ったら、音楽もそういうものにしていくしかなくなる。それに対応する音楽に。そこは結構ジレンマなんですよね。

──それは下岡さんも実感するところなんですか。
うん、あると思います。逆もあるし。たまにいるんですよ。”なんでこの人、音楽と言葉の関係をわからずに音楽やってるんだろう”って。そういうのは聞いててちっとも良くないし、カラオケっぽいというか。

──言葉と音楽の緊張関係がない。
ちゃんと咬み合ってないというか。逆にそこが外れてるのが面白い場合もありますけど。そこはセンスとか人間力とか、いろんなものが必要になってくる。だから……武器は自分しかないんですよ。

──声高にメッセージを振りかざす人もいるけど、そこまで行ききれない普通の人の感覚。でもいち生活者として疑問や違和感も感じている。下岡さんの表現は、そういう葛藤や逡巡をちゃんと表現にできてますね。
もうほんと、できるとすればそこって感じですね。

──なるほど。今作をどんな人たちに聞いてほしいですか。
「There She Goes(La La La)」とか、今までのAnalogfishにない感じの曲なので、今まで聞いていなかった人たちにうまくタッチできればいいと思いますね。

 
 

  

SPECIAL INFORMATION

「town meeting 2014」in the school 完全生中継!
2011年より年1回のペースで定期的に行われている“town meeting”を今年も開催。本日10月10日(金)世田谷ものづくり学校で行われるこのアコースティック・ライブの模様をWHAT's IN? WEBのUSTREAM CHANNELにて完全生中継!
本日の東京公演と神戸旧グッゲンハイム邸での2公演どちらもチケットがソールドアウトしている1年に1回の貴重なライブなのでお見逃しなく。

【配信詳細】
「town meeting 2014」in the school
10月10日(金)IID 世田谷ものづくり学校
配信は19:00 ~ 終演まで(予定)
視聴は→WHAT’s IN? WEB USTREAM CHANNELをクリック

DISC INFORMATION

「最近のぼくら」
ALBUM 2014.10.08 release
felicity

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<収録曲>
01. 最近のぼくら
02. There She Goes(La La La)
03. Nightfever
04. はなさない
05. Kids
06. 公平なWorld
07. Moments
08. Wednesday
09. 不安の彫刻
10. Tonight
11. Receivers

PROFILE

佐々木健太郎(vo、b)、下岡 晃(vo、g)、斉藤州一郎(ds、vo)による3ピース・バンド。1999年、佐々木と下岡のふたりが地元である長野県喬木村で結成。翌年上京し2001年より都内でライブを開始。2002年に斉藤が加入し現在の3人に。2003年に1stアルバム『世界は幻』をリリース。2004年にはメジャー1stミニ・アルバム『Hello Hello Hello』をリリースしその後もツアーやリリースなど精力的に活動を行う。2008年に斉藤が療養のため一時脱退するという出来事もあったが、翌年10月10日に新木場スタジオコーストで行われたアナログフィッシュ10周年記念祭“10×10×10”にて斉藤が復活。2011年10月10日には日比谷野音ライブを敢行。今年に入ってからは、お笑いコンビ・オードリーのまんざいライブに提供した楽曲「SHOWがはじまるよ」を配信限定でリリース。さらには佐々木と下岡の地元である長野県喬木村のキャラクター“ベリー&ゴー”のテーマソング「ベリー&ゴーのテーマ」を発表している。

LIVE

<ツアーほか>
TOUR「最近のぼくら」
11月15日(土)仙台 PARK SQUARE
11月20日(木)福岡 the Voodoo Lounge
11月22日(土)大阪 Music Club JANUS
11月23日(日)池下 CLUB UPSET
11月26日(水)渋谷 CLUB QUATTRO

「town meeting 2014」in the school
10月10日(金)IID 世田谷ものづくり学校
※Acoustic Live Edition

「town meeting 2014」in the heim
10月12日(日)神戸 旧グッゲンハイム邸
※Acoustic Live Edition

「Analogfish&mooolsと行く、
水中碁石取りツアー2014〜足でたしかめて、秋〜」京都編

10月24日(金)京都CLUB METRO(出演:Analogfish/moools/Llama)
10月25日(土)長野 ネオンホール(出演:Analogfish/moools)
10月26日(日)山梨 桜座(出演:Analogfish/moools/ナイスタイムカフェ(FOOD))

<イベントほか>
スペースシャワー列伝100巻記念公演 108巻 ?の宴(はてなのうたげ)
10月22日(水)新宿LOFT
出演:Analogfish/トリプルファイヤー/Awesome City Club/Yogee New Waves

武蔵大学白雉祭 野外ライブ
11月2日(日)武蔵大学 江古田キャンパス せせらぎ広場・3号館中庭

felicity presents「felicity lights Vol.1」
11月3日(月・祝)代官山UNIT
出演:Analogfish/やけのはら(+ドリアン、VIDEOTAPEMUSIC、厚海義朗)/王舟/思い出野郎Aチーム/Homecomings/CAROLIECUT(DJ)/みゆとと(DJ)

THE SOFT PARADE
12月14日(日)duo MUSIC EXCHANGE
出演:Analogfish/初恋の嵐/髭(HiGE) +OPENING ACT

 

関連リンク

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