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ガンプラ大好きキッズに触発されて…「好きなもの 好きと言うこと 大切にしたいね」スピラ・スピカ、1stアルバムで届けた言葉の理由

聴くと思わず笑顔になれるピュアポップ・ロックバンド、スピラ・スピカ。2018年にTVアニメ『ガンダムビルドダイバーズ』第2クールEDテーマ「スタートダッシュ」でメジャーデビューを果たした彼らが、待望の1stフルアルバム『ポップ・ステップ・ジャンプ!』を完成させた。

アニソンとかJ-POPといった垣根は関係なく、思わず笑顔になって楽しめる『ポップ・ステップ・ジャンプ!』。メンバーも音楽の幅が広がったと語るこのアルバムについて、そして彼らのルーツについて、幹葉(Vo.)、寺西裕二(Gt)、ますだ(Ba)の3人にたっぷりと語ってもらった。

取材・文 / 塚越淳一 撮影 / 草刈雅之


◆アニメを観るたびに、作りたい曲の幅が無限に広がる
ーー それぞれ、どんな音楽的ルーツがあるのですか?

【 幹葉 】 私は小さい頃から歌うことが大好きで、DREAMS COME TRUEさんやHYさん、プリンセス・プリンセスさんをバンドでコピーして文化祭で歌ったりしました。そこからオリジナル曲を歌うようになったのは大学生になって、この2人に出会ってからです。

ーー アニソンなどは2人からの洗脳があったと聞きましたが(笑)。

【 幹葉 】 そうなんです! アニメと言えば『ちびまる子ちゃん』が大好きで、そればっかり見ていたんですが、機材車などでずっといろいろなアニソンが流れていたので、それを聴いて「こういう世界もあるのね!」と思いワクワクしたのを覚えてます。

スピラ・スピカ 幹葉 WHAT's IN? tokyoインタビュー幹葉(Vo.)



ーー 寺西さんは?

【 寺西裕二 】 僕は中学生のときに吹奏楽部の先輩から教えてもらったGREEN DAYにハマり、すぐに初心者ギターを買ったところからすべてが始まったんです。その後、この3人の形態になって作曲をするようになって衝撃を受けたのはSchool Food Punishmentさんで、ギター、ベース、ドラムでどこまでこういう音楽を再現できるのかというのを無知ゆえに模索していました。そこから今は元気いっぱいな曲を作って演奏してはいるんですけど。

ーー アニメ好きは中学生からですか?

【 寺西 】 少々夜ふかしをしてしまう中学生だったので深夜アニメをよく見ていました。その中で主人公が同じユージという名前で、ヒロインがいい感じの声で、ちょっとラブっぽい展開になるときに僕の名前を呼ぶんですよ。そこからはもうどっぷりでした(笑)。

【 幹葉 】 あはははは(笑)。それ、初耳なんやけど!

スピラ・スピカ 寺西裕二 WHAT's IN? tokyoインタビュー寺西裕二(Gt)



ーー 資料用のプロフィールには好きなアニメが『攻殻機動隊』や『亡念のザムド』になってますけど、クールでシリアスな作品が好きなのかなと思っていましたけど(笑)。

【 寺西 】 いや、自分では自分のことを中二病だと思っているところがあるので……。

【 幹葉 】 でも寺くんに勧められた『リトルウィッチアカデミア』は面白かったよ。シリアスではなかったけど。

【 寺西 】 あれは元気で明るい作品だったからね。でも、アニメの世界観に影響を受けて曲を作ったりはよくしていました。アニメを見るたびに作りたい曲の幅が無限に広がるというか。

【 幹葉 】 インディーズのときも、アニメをモチーフにした曲が結構あったよね。

ーー ますださんはいかがでしょう? 寺西さんとは小学校時代からの幼馴染だそうですね。 

【 ますだ 】 そうなんです。ベースを始めたきっかけは、文化祭でマキシマム ザ ホルモンさんのコピーバンドをすることになって、ギターは寺(寺西)で、ドラムもいたので、ベースが余っていたんです。それで「お前、ベースやれよ」と言われて始めました。

ーー いきなり激しいところに行ったんですね。

【 ますだ 】 最初にコピーしたのは「絶望ビリー」という曲で、おとんがバンドをやっていたので、知り合いからベースを借りてひたすら家で練習していました。

ーー 今にして思えば、ベースで良かった?

【 ますだ 】 自分に合っている楽器だと思います。

【 寺西 】 ベーシストそのものだしね。でも下で支えるというより、ちょっと目立ちたがりなところがあるベースっていう(笑)。

【 ますだ 】 性格が楽器とか演奏にすごく出ていると思います。

スピラ・スピカ ますだ WHAT's IN? tokyoインタビューますだ(Ba)



ーー アニメも寺西さんと同じく昔から好きだったんですか?

【 ますだ 】 そうですね、同時期くらいからハマっていました。『涼宮ハルヒの憂鬱』がキッカケで見始めて『らき☆すた』などから掘っていき、そこからはどっぷりです。

ーー 音楽的に影響を受けたのは?

【 ますだ 】 僕もSchool Food Punishmentさんが好きで、『C』というアニメで「RPG」を聴いたのがキッカケで知ったんですけど、一度ベースの山崎英明さんがサポートしているバンドを生で見る機会があって、それを見た瞬間、凄い衝撃を受けて、絶対この人みたいなベースを弾きたいと思ったんです。なので今も憧れのベーシストは山崎さんです。

◆作品に寄り添うことができていると「頑張って良かった!」って思う


ーー メジャーデビューしてから、アニメタイアップ曲が増えたと思いますが、バンドとして大きな変化もあったのではないですか?

【 幹葉 】 それまで恋愛系の曲がなかったんですけど、3rdシングル「恋はミラクル」(TVアニメ『みだらな青ちゃんは勉強ができない』EDテーマ)は、私たち的には挑戦だったと思います。

【 寺西 】 すごく挑戦でした。恋愛の曲は、自分の経験的にも説得力を持たせることができないのではないかという考えがあったんですけど(笑)、この曲でそれを壊しました。想像力とか人の話を聞くことによってできるんだと。

ーー 幹葉さんは作詞をすることも多いですが、タイアップだとやはり違いますか?

【 幹葉 】 最初に「スタートダッシュ」(TVアニメ『ガンダムビルドダイバーズ』第2クールEDテーマ)を書かせてもらったときに、インディーズのときは自分勝手に書いていたんだなと思いました。聴いている人のことを考えながら書いていたつもりが、本当につもりだったんだなというか。

あと、先にシナリオをいただくこともありますが、長いシナリオから大事なところを抽出して、ネタバレをしないように言葉を選びながら書くというのもとても悩むところです。でも、実際にアニメの映像と一緒に曲が流れたり、物語の一部となって寄り添うことができているのを見ると、頑張って良かった!って思うんです。それはどの作品でも新鮮だったし嬉しいことでした。

ーー ますださんが何かキッカケになった曲というと?

【 ますだ 】 「リライズ」(TVアニメ『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』OPテーマ)を作るとき、このベースについて山崎さんに相談したんです。どうやってフレーズを組み立てているのか、どういう意図を持ってアレンジをしているのかなど相談させていただいて、そこは自分にとってもひとつ成長するきっかけになりました。

【 幹葉 】 すごいことやよな、憧れの人に教えてもらうなんて。



◆本当にアニメって学ぶことがすごくたくさんあります


ーー 今回のアルバムには、これまでのタイアップ曲はすべて入っていますが、コンセプトなどはあったのでしょうか?

【 幹葉 】 去年はアニメタイアップをたくさんやらせていただいて、シングルを出すことが多かったんです。でもその中で、いつか作るであろうアルバムに向けて、制作は続けていました。

【 寺西 】 純粋に僕が作りたい曲、こういう曲がないから作ってみようというのをやっていて、ひたすら僕が成長するために曲を書いていたんです。シングルを出したときはカップリング曲もあるので、そこでのみなさんの反応などを見るんですけど、伝わってるんだなとか、そう捉えることもできるんや! っていう気づきもあったりして……。

ーー 感想をチェックするほうなんですね。見ないというアーティストも多いですが。

【 寺西 】 僕は結構調べてしまうんですよ。なので感想は随時募集中です(笑)。

ーー アルバムはそういう曲を集めていった感じなのですか?

【 幹葉 】 いざアルバムを作るとなったときは、まずタイトルを決めてから入れる曲を考えようとなったんです。最初メンバーで案を持ち寄ったんですけど、それをスタッフさんに見せたら全部却下で(笑)。「これで本当にいいのかい?」と言われ、一度持ち帰ったんです。

もっとスピラ・スピカの良いところを出してみなさいと言われ考え直していたら、ますだから「『ポップ・ステップ・ジャンプ!』はどうかな?」ってLINEが来て、すぐに「いいね!」ってなりました。

【 ますだ 】 降りてきました(笑)。

【 幹葉 】 スピラ・スピカの溢れ出るポップさも詰まってるし、今年の私たちの目標が飛躍で、ジャンプという言葉も入っているから、「ますだ、サイコーー!!」って思いました。

ーー それでリード曲の「ポップ・ステップ・ジャンプ!」も生まれたんですね。この曲は重永亮介さんが作詞・作曲ですが、どのようにできたのでしょう?

【 寺西 】 ツアーを廻ったとき、重永さんがピアノで入ってくれていて一緒にいる時間が長かったんです。そこで僕らが思うスピラ・スピカと、近いところから見たスピラ・スピカを合わせて作ってくれたのがこの曲で、僕たちの人間味も曲に入れてくれて、この曲をリード曲にしようと思いました。軽快なビートで、思わずステップ・ジャンプしたくなるようなポップギターロックになっています。

スピラ・スピカ 幹葉 WHAT's IN? tokyoインタビューーー 歌詞では「100% 楽しんだもん勝ちさ」とか、本当に“らしさ”が溢れてますね。

【 幹葉 】 私たちはライブが大好きで、人生のご褒美だと思っていて、スピラ・スピカが思っている楽しいと、みんなの楽しいが合わさると相乗効果でもっと楽しいんですね。その楽しいパワーは生きていく上で前へ進む力になると思っているし、このタイトルが決まったあとに歌詞を書いたので、「レッツ ジャンプ」とか「もっと クラップ!!!!!」といった言葉を入れていて、ライブでも一緒に楽しめるし、育てていける曲にできたんじゃないかなと思ってます。

ーー 個人的には「好きなもの 好きと言うこと 大切にしたいね」というのが、良いメッセージだなと思いました。

【 幹葉 】 ありがとうございます! でもこれは、『ガンダムビルドダイバーズ』からすごく学んだことなんですよ。作品の中の子たちがガンプラが好きという思いを大切にしながら、物語が進んでいくのですが、「スタートダッシュ」を担当させてもらったからこそ、今、こういう歌詞が書けるようになったと思うんです。本当にアニメってすごいですね。学ぶことがたくさんあります。

【 ますだ 】 それとこの曲はMVがすごく楽しくなっていて、バンドなんですけど、僕らダンスを踊ってるので、そこは見どころです!

【 幹葉 】 これまでも阿波踊りダンスとか、ちょくちょくあったけど、その集大成的な感じで踊ったね。



◆「good for nothing」はずっと一緒に戦ってきた大切な曲なんです
ーー アルバムはかなりバラエティに富んだ作品になってまが、制作時に特に印象に残っている曲とそれぞれ何になりますか?

【 寺西 】 僕はスキマスイッチ常田真太郎さんプロデュース楽曲の「一番星、みつけたっ」です。小学生の頃からスキマスイッチさんが大好きで、まさか一緒に作品を作ることになるとは思わず、まだ実感が追いついてないんです(笑)。きっかけは、僕らのディレクターさんとお知り合いで、そのつながりで、僕らがガンダム曲をやったときに、常田さんはガンダム好きなので、「(プロデュース)やりたかったよ」って言ってくれたみたいなんです。僕たちは同じフェスに出演したときに、ご挨拶と少しお話させていただいていたんですが、そのつながりから今回お願いすることになったんです。

そうして提供していただいた「一番星、みつけたっ」はスピラ・スピカだけでなく、スキマスイッチさんの雰囲気もしっかり入っていて、アルバムの中でも映える、今までにない感じの曲になったので、早くみなさんに聴いてほしいんです。スピラ・スピカを好いてくれている方で、スキマスイッチを好きな方が聴いたらどう思うのか、この感想も随時募集中です(笑)!

【 幹葉 】 愛がすごいんですよ。すごくスピラ・スピカのことを考えてくださってるのがわかる歌詞で。星と家族を題材に書いてくれてるんですけど、とにかく温かいんです。

私たちのバンド名は、「どれだけ暗い道でも希望の光で照らしたい」という意味を込めているんですけど、その想いも最後のサビに入れてくれているので、本当にプレゼントを頂いた気持ちが強いです。それとタイトルに小さい「っ」が付いてるのは、私だったら小さい「っ」を付けて話しそうってところから後付けしてくれて。そういう細かいところまでこだわってくださったので、大切に歌っていきたいです。

ーー レコーディングでは学ぶことも多かったのではないですか?

【 寺西 】 曲のアレンジの相談というか、どういうところを意識しているのかなど聞かせていただいて、ストリングスの譜面を見せてもらいながら、ここをこうすることによってこうなるという、ちょっとスキマスイッチさんらしいテクニックも伝授してくださったのですごく勉強になりました。

ーー 幹葉さんの印象的な曲というと?

【 幹葉 】 いろいろ話したいんですけど、おすすめは「カラマワリング」です。この曲を寺くんからもらったときは、「歌いにくい曲を!ここにどうやって歌詞を乗せるんだ?!」と思ったんです。でも、「イヤヨイヤヨモスキノウチ!」(TVアニメ『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』OPテーマ)のとき、相手に好き好きと来られる立場の曲を書いたので、今度は好き好き!って言う側の曲を書きたいと思ったんです。結果、大好きが溢れて、思わず空回りしてしまうドタバタ恋愛ソングになりました。私の好きなワード、“サッカー”とか“ハンバーグ”が入っていたり、早口言葉みたいな感じを楽しんでもらえたらと思います。



【 ますだ 】 僕は先程お話しした「リライズ」が自分にとって印象的な曲でしたけど、今回のアルバムは様々なドラマーの方に叩いていただいていて、ドラムによって全然違ってくるので、すごくいろいろなことを吸収できて、経験値が上がりました。

ーー 中でも勉強になったなということはありました?

【 ますだ 】 元GO!GO!7188のターキーさんに叩いてもらうことが多いんですが、そこで、バラード曲での歌に寄り添うことの大切さを教わりました。

【 幹葉 】 ターキーさんのすごいところって、「歌に寄せといたよっ!」って軽い感じで言ってくれるところなんですよ。その後に実際に歌ってみたら、歌への寄り添い方がすごくて(笑)! それはターキーさんがこれまで積み重ねてきた経験を、私たちに直に教えてくれているんだなって思いますし、その技術をちゃんと受け取っていかなければいけないなって思います。アルバムには収録されていないのですが、「桜が咲く頃」とか「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~」のカヴァーはターキーさんが叩いてくださったバラードですね。

【 ますだ 】 だからレコーディングは毎回経験と緊張の連続なんです。

ーー 最後にインディーズ時代の曲「good for nothing」を入れたのも大きな意味がありそうですね。

【 幹葉 】 ここで入れるために、メジャーデビューをしてから取っておいた感もあって。インディーズの頃から知ってくださっているファンの方は、あの曲どこにいった?と思っていたと思うんです。

【 寺西 】 もともとバンド色が強い曲で、3人が結成してすぐくらいに作ったんです。そこからライブのセットリストでも大事なところに入れたり、オーディションで歌ってきたりと、ずっと一緒に戦ってきた曲なんです。原曲は疾走感の溢れるロック寄りなサウンドになっているんですけど、ストリングスを入れたりと今のスピラ・スピカらしさを加えた形になっています。バンドにとってすごく大事な、結成当時に作った曲であり、一緒に戦ってきた曲だというのを想像しながら聴いてほしいなぁと思っています。歌詞も若いなと思うけど、あえて当時のままなので。

【 幹葉 】 「リライズ」からこの曲につながって終わる感じも、私たちながらニクい演出なんです(笑)。

スピラ・スピカ WHAT's IN? tokyoインタビューーー そんなメジャー1stアルバムが無事完成しましたが、先程飛躍とおっしゃっていました。同世代のバンド仲間も多いと思いますが、そこから刺激を受けることも多いですか?

【 幹葉 】 個人的な目標として、インディーズの頃に関わっていたバンドが今活躍しているので、そこに負けんように頑張っていこうって。デビューする前はオーディションも受けていたんですけど、同じ世代だとヤバイTシャツ屋さんとか、パノラマパナマタウンとか、Saucy Dogとかがいるので、今年はそういうバンド界のみんなとも交わっていけるように頑張っていきたいなと思っています。ロックフェスにもアニメフェスにも垣根を越えて出れるようになりたいです。

【 寺西 】 今ジャンルの境目もなくなっていて、飽和状態にある時代だからこそ、自分たちでできることをやって、そういう境目を意識させないアーティストになりたいなって思ってます。

ガンプラ大好きキッズに触発されて…「好きなもの 好きと言うこと 大切にしたいね」スピラ・スピカ、1stアルバムで届けた言葉の理由は、WHAT's IN? tokyoへ。