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新しい面白さと価値を生み出した『ファイナルファンタジーVII リメイク』はどこに向かうのか

『ファイナルファンタジー』シリーズのなかでも屈指の人気を誇る『ファイナルファンタジーVII』が、1997年から23年の時を経てリメイク作品としてリリースされました。本作は複数作描かれるうちの“第1作目”であることが発売まえから知らされており、今回描かれているのはオリジナル版では序盤にあたるミッドガル脱出までです。複数作でリリースすることの是非については、ファンをはじめとしたゲームユーザーの間で意見が飛び交いましたが、実際にプレイしてみると変更・追加要素満載の攻めた魅力がたっぷりの作品に仕上がっていました。前回記事でもその驚きについて語りましたが、今回は具体的なイベントの見どころについて紹介していきます。まずは公式ファイナルトレーラーで、衝撃シーンの数々をご覧いただきましょう!



※本稿ではゲーム内容に触れる点も多々あるので、全く情報を入れずにプレイしたい方はご注意ください。

文 / 内藤ハサミ


◆見せ場いっぱいのストーリーやイベントシーン
元ソルジャー1stというプライドもあり、冒頭は食えない厭世家といった感じで登場するクラウドですが、ストーリーを進めていくと実は自分の素の性格を出すことが不得手で、人づきあいにも自信が持てない内気な青年であることが明らかになってきます。そんなクラウドがアバランチの仲間、エアリス、スラムの人々などと触れ合うことで徐々に成長し変わっていくさまを魅力的に描いている点は、物語の大きな見どころです。もちろんオリジナル版でもクラウドが徐々に変化していく過程については丁寧に描かれてはいるのですが、ひとつの出来事を掘り下げてエピソードも追加されている本作ではより詳細な描写が楽しめるのです。

ファイナルファンタジーVII リメイク WHAT's IN? tokyoレビュー▲「(魔晄を吸い上げられ続けている)星の悲鳴が聞こえる」というバレットに、「医者に行け」と冷たく言い放つクラウド



クラウドだけではなく、オリジナル版ではあまり描かれなかった他のアバランチメンバーについてもエピソードが追加されています。特にオリジナル版ではあまり前面に出てこなかったジェシーに関しては、彼女がメインとなる大きなイベントも用意されていて、彼女の生い立ちや信念だけでなくミッドガルという大都市のある一面についても知ることができるでしょう。他にもビッグスのじつは心配性な性格や生まれ育った施設での評判が見えるイベントがあったり、ウェッジの優しくて芯の強い性格やネコ好きな一面が感じられるイベントなど、アバランチの3人を掘り下げたイベントの数々は彼らにより一層愛着が湧くものでした。

▲ジェシーはミッドガルの市街出身。不自由なく育ったように見える彼女が、なぜ反神羅組織・アバランチとして活動するようになったのでしょうか。ジェシーが家族に宛てた手紙にそのヒントが……!?



ファイナルファンタジーVII リメイク WHAT's IN? tokyoレビュー▲ジェシーの母親は娘がアバランチだとは知りませんが、ジェシー宅訪問の際は完全武装スタイル。いやいや怪しいでしょ! 前回も触れましたが、“表現がリアルだからこそ可笑しくなってしまうシーン”がたびたび登場します。制作陣の遊び心でしょうか



なかでも作り手の並々ならぬ気合いを感じたのは、オリジナル版でも大きな話題を呼び今でも心に残っているシーンとして挙げるプレイヤーが少なくない、ドン・コルネオの嫁オーディションへ潜入するという一連のイベントです。コルネオはウォール・マーケットの顔役で、性格は好色で下品。嫁オーディションと言っても生涯のパートナーではなく、実際は一夜を共に過ごす相手を選び気分でとっかえひっかえしているようです。普通に訪問してもまず会うことができないコルネオから、重要な情報を聞きださなければならない……ということで、オーディションに参加することになったクラウド、ティファ、エアリスの3人。しかし、それにはコルネオの好みそうな“女性”である必要がありました。3人は、コルネオ好みに美しく着飾ります。

ファイナルファンタジーVII リメイク WHAT's IN? tokyoレビュー▲“蜜蜂の館”のオーナー、アニヤン・クーニャン。至高の美しさを求める彼の手でクラウドが変身します!



ファイナルファンタジーVII リメイク WHAT's IN? tokyoレビュー▲ド派手なショーが連夜繰り広げられている蜜蜂の館。イベント中見られるショーは大迫力のひと言



オリジナル版では自ら女装用アイテムを集めるというイベントだったものが、今回は全く別の形で女装させてもらうイベントに変更されていたり、「美しさに男も女もない」というアニヤンのセリフなど、現代的な感覚にアレンジされている部分が多々あります。全体が大幅にリニューアル&パワーアップされているんです。このショーのシーンは大いに笑い、今回もしっかりと心に刻まれるイベントとなりました。楽しすぎて本筋を忘れそうになりましたが、そもそも3人が“盛装”してコルネオの屋敷に乗り込むというのは、コルネオが今夜の花嫁を探すという下衆な目的を利用し彼に接近するためでしたね。

ファイナルファンタジーVII リメイク WHAT's IN? tokyoレビュー▲今作もコルネオは品性皆無! 3人も嫌悪感による険しい顔が隠せません



前回、ティファのオシャレ着を選ぶイベントを最後に紹介したのですが、実はここで選んだ服の傾向がオーディションでティファが着る衣装に反映されます。ちなみに筆者は“大人っぽいの”を選びました。ほかには“格闘家っぽいの”と“異国風なの”が選べます。本作はストーリーをすべてクリアすると、チャプターを選んで再プレイできるようになるので、ぜひ何度かプレイしてすべての衣装をコンプリートしてみてください! 筆者は家族のプレイと併せて他の選択肢を選んだ結果を見たのですが、どの衣装も美しく凛々しかった、ということを書き添えておきます。しかもティファだけでなく、エアリスとクラウドに関しても八番街スラムやウォール・マーケットでの振る舞いによっては、別衣装を着るということを確認しています。全てを見るにはまだまだプレイが必要ですね。

◆『ファイナルファンタジーVII リメイク』はどこに向かうのか
新要素を加え、ミッドガル脱出までをボリュームたっぷりに仕上げた本作。コミカルだったり、ミッドガルを含めた世界の状況を感じさせることだったり、エンターテインメント性に溢れるだけでなくドラマティックな物語を雄大に展開します。オリジナルのファンには新たな感動を、初めてのプレイヤーには堂々たる物語を見せてくれました。クリアしたあとは、そのひとつひとつが愛おしい思い出になっています。

ファイナルファンタジーVII リメイク WHAT's IN? tokyoレビュー▲歯ごたえたっぷりの戦闘も満足度を高める要素のひとつです



はたして、次回作はどのように展開していくのか……。これはプレイヤー誰しもが思うことでしょう。 運命の番人“フィーラー”の存在、エアリスやセフィロスのオリジナル版にないセリフや行動などを考えてみると、次回作からのシナリオはさらに大きく変わっていくのではないかという予感がします。これはプレイヤーたちの間でも話題になっていて、ストーリーの考察や次回作の予想が盛んに語られています。

ファイナルファンタジーVII リメイク WHAT's IN? tokyoレビュー▲エアリスとティファ、実はふたりの間には深い心の繋がりがあります。そこをしっかり描いているのが嬉しい



ファイナルファンタジーVII リメイク WHAT's IN? tokyoレビュー▲筆者が大好きなエアリスが、パイプ椅子でコルネオの手下を沈めるシーン。いい笑顔……よりエアリスに親近感が湧きました



かつて体験したゲームのリメイク作品だという感覚でプレイを始めた筆者は、本作の展開に終始驚かされっぱなしでした。ファンがしっかりと存在する『ファイナルファンタジーVII』という人気作品ですから、オリジナル版とは違う方向へ展開させることに賛否が大きく分かれるというのは開発陣も織り込み済みでしょう。そのうえでオリジナル版への愛を持って大事にリメイクしつつも、あえて大きな変化を加えるという覚悟は実を結び、さらに大きな面白さと価値を生み出したと感じます。そして、戦闘を含めたシステム面について大幅なリニューアルがなされていることも新鮮さを生み出し、オリジナル版のプレイヤーが今作を遊ぶ大きな理由を生み出しています。

ファイナルファンタジーVII リメイク WHAT's IN? tokyoレビュー▲サブクエストが終わると、依頼者の元へ自動で戻れます。移動の手間を省きテンポよくゲームを進められるいい仕様です。もちろん、自分の足で帰る楽しみかたもできます



サブクエストからの自動帰還以外にも、画面上部に目的地への方角と距離を表示するコンパス、任意で表示できるミニマップなど、プレイを快適に進められる工夫も随所に感じられてわずらわしさを感じません。特にスピードと爽快感を体験するバトルシステムは念入りに作られていて、たび重なる戦闘を退屈に感じることもありませんでした。
プレイをするまでは、『ファイナルファンタジーVII リメイク』というタイトルにずっと違和感がありました。複数作であるならば、タイトルに“序章”や“part1”などの表記があってしかるべきではないかと思っていたからです。しかしプレイを終えて、「きっと、今回プレイしたミッドガル脱出までのシナリオが、物語を作り直すという意味での“リメイク”だったのかもしれない」と納得したことで、複数作であることへのフラストレーションはなくなりポジティブな感情に変わりました。今はとにかく続編をプレイし、クラウドたちの新たな“運命”を見届けたいという気持ちでいっぱいです。一刻も早いリリースを多くのプレイヤーとともに心待ちにしています。

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