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映画『MOTHER マザー』での存在感が際立つ奥平大兼。日本映画界に現れた超新星のバックグラウンドを探る!

『あゝ、荒野』(17)をはじめ、『新聞記者』『宮本から君へ』(ともに19)と話題作を立て続けに世に送り出すスターサンズと河村光庸プロデューサー。企画・製作・エグゼクティブプロデューサーを務めた新作『MOTHER マザー』は、またしても見る者にさまざまな思いを抱かせるであろう“問題作”に仕上がっている。実際に起こった事件をベースに、『さよなら渓谷』(13)や『日日是好日』(19)などの大森立嗣監督が母と息子のいびつな愛のかたちを一篇の映画へと昇華させた。その主人公たる“毒親”を演じる長澤まさみや、相手役の阿部サダヲにも引けを取らない存在感を放っているのが、息子役の奥平大兼だ。演技をするのが初めてとは思えないほどの実在感と、鈍い輝きを放つ彼のたたずまいは、見ればきっと惹きつけられること請け合い。現在、全日制の高校に通いながら衝撃のスクリーンデビューを果たす彼に撮影時のエピソードを聞いたほか、文化面でのルーツやバックグラウンドもリサーチ。ベールに包まれた素顔に迫ってみた。

取材・文 / 平田真人 撮影 / ヨシダヤスシ


◆長澤まさみさんから平手打ちされるシーンは事前に知らされていなかったので、素で驚いた反応をしています。
MOTHER マザー 奥平大兼 WHAT's IN? tokyoインタビューーー 映画『MOTHER マザー』を見ていて、なぜ長澤さん演じるお母さん=秋子は、自ら悪循環のループにハマってしまうのだろうと思ってしまって。奥平さんは息子=周平の視点から、どんなことを思ったのでしょう?

母親としての行動と考えると、ちょっと理解しがたいんですけど、1人の女性として見てみると…そういう選択をしてしまうのかなって。でも、正直なところ考えれば考えるほど、わからなくなります(笑)。どっちにしても、もし自分の私生活の中に秋子さんのような女性が近くにいたら、やっぱり怖くなっちゃうだろうなって思います。だから、この映画に出てくる男の人たちがみんな、秋子に優しくするのを見てすごいなと思いましたし、何でそういうふうにしちゃうんだろうって考えたりもしました。

ーー そういう意味では、何回も見直すことで違うものが見えてくる映画でもありますよね。奥平さんはもう複数回見ていたりするんですか?

僕はまだ初号(試写)の1回しか見ていないくて(※取材日の時点で)。しかも、その1回も自分の演技がどうだったかを中心に見てしまったので、キャラクターそれぞれの思いとかを探れるほどストーリーには集中できていなかったんです。なので、もう一度じっくりと見直してみたいなと思っています。