
ヨーロッパのお屋敷を思わせるハウスに、多国籍な子どもたち。なかでもメインのエマ、レイ、ノーマンは、キャスティングを誤ると作品の雰囲気すら壊しかねない。赤毛のエマ、黒髪のレイはまだしも、髪だけでなく太い眉毛まで白いノーマンのビジュアルを再現できる若手俳優がいるのだろうか? と思っていたが、キャスト発表で「板垣李光人」の名前を見て得心がいった。なるほど、中性的で美しいビジュアルをもつ彼ならばできるだろうと。当然、板垣李光人も自身のニーズをしっかりと理解し、役に臨んでいたのだった。
取材・文 / とみたまい 撮影 / 増永彩子
◆原作ファンが実写化に望むことを、自分は理解できている。

ノーマンは漫画だと11歳、映画では15歳という設定でしたが、いずれにせよ、歳のわりにはすごい落ち着いていますよね。エマやレイと比べても、年上に感じるようなところもあるので、オーディションの際もガツガツいくというよりは……僕も普段、はしゃぐようなタイプではないので、そのままでいこうと意識していたかもしれません。